HYDRA SPORTS-4200SF

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ハイパフォーマンスセンターコンソーラー、 オーナー自ら個人で輸入

ティアラ4300(3艇目)、エッジウォーター318(4艇目)と乗り継いで来られたオーナーが、日本国内にディストリビューターがいないため、自ら個人輸入したHYDRA-SPORTS 4200SF。数あるセンターコンソーラーの中から5艇目としてこの艇を選ばれた理由は、4艇目より大きく安定性があり、前後2列シートでしかも全てTトップで覆われている事という観点で探しておられたオーナーの要望にもっとも近かったからです。

スペック
全  長:12.67m
全  幅:3.70m
船体重量:10,432㎏
燃料容量:2,324リットル
清水容量:189リットル
船 外 機:3×YAMAHA F350 350HP
スピード:最大55ノット

エンクロージャーで覆う作業は、全ての艤装が終了し一度フィッシングトライアルが行われてから開始されました。「皆さん誤解していませんか!センターコンソーラーは本当に良い!もう他の船には乗れません!」ボート歴30数年のベテランオーナーが言い切る、その理由を訊ねてみました。
思い立った時にクルーを集めなくても2人で出港できる手軽さ、船外機で設備もシンプルなので壊れにくい、ラフコンデション下でもFB艇のようにトップヘビーでないため恐怖心を感じない、ウオークアラウンドのセンターコンソーラーなのでバウでのカジキとのやり取りやキャスティングもスムーズにできるなどの利点が多いからという事でした。また、多少の風の中でも30〜40ノットで常に走行できるセンターコンソーラーの唯一の不満点として、ラフコンデション時の飛沫の多さと真夏でも度々体験された風による体温の低下を挙げられ、その対策としてTトップ全体をエンクロージャーで覆いたいという要望でした。そのことをオーナーは艇がアメリカにあるうちからお話しされていました。

唯一の弱点である耐候性対策(艇のデザインを損ねることなく、かつ高速走行に耐えることが要望)

Tトップ自体をエンクロージャーで覆う作業は弊社が全てを請負って艤装しましたが、最大スピードが55ノット、さらに強化ガラス製のフロントグラスは覆わない条件付きでした。強化ガラスとルーフの隙間もビニールで覆いベンチレーション用の小窓を付けています。

走行性能の高い高速艇だからこそ敢えて硬質な素材を避けて、ショックを吸収できるビニール系のスタータグラスとスタモイドを採用。また、少しでもたわめばバタついてしまうので、出入り口開閉部分にはベルトと締め金具を使って対策しています。

完成されたフルエンクロージャー。艇のデザインを損ねることなく、しかも機能的で扱いやすく、高速走行に耐えるものになりました。全てを閉めて走行すると外からの騒音はかなり抑えることができ、キャビンの中にいるような気分になりました。

エンクロージャー以外の艤装の実際

この船はメーカーのデモンストレーション艇であったので多くのオプション品が付いた状態で購入されました。したがって日本に来て行ったエンクロージャー以外の艤装は航海計器設備、アウトリガーシステム、バウデッキのフットテーブル、船名デザインシール等が主なものですが、ボトムフィッシング設備(集中コンセントボックス、マイボートロッドキーパー他)、係船設備、ステレオヘッドユニットの交換やトイレを含む各ポンプ設備などのシステム変更や調整作業等も行いました。少し余談なのですが、いつも艤装工事に入る前には必ず船の設備を色々と調査します。私達も多くの経験があるのですが今回は、トイレの設備で苦戦しました。流す水は海水?清水?スイッチが入らないけどなぜ?汚水タンクのゲージは壊れてないか?このブルーの水は何処から出てくる?解明するのに1日掛り。良い勉強にはなりましたが、配線図があればもう少し早く解明できたかもしれません。

アウトリガーシステムの設置 ・TACO社アジャスタブルトップマウントGS-370 ・テレスコアウトリガーポール18フィート ・ハリヤードシステムはブラックナイロンでセット



係船設備
片側ループ加工付の係船策(ダブルブレイド)
・ロープ径18mm7.5m×2、10m×2、20m×1
・フェンダー:ロープ貫通型φ250×4
・ラウンドフェンダーφ460×2
バウ側ハルの傾斜が強いので、通常のフェンダーでは奥に入り込んでしまいます。ラウンドフェンダーはφ460mmがジャストサイズでした。 

航海計器設備
・フルノNAVNET TZ機器の設置
・14.1型マルチファンクションディスプレー×2台
・レーダー、GPS、魚探、機能を設定
・カラー液晶リモートディスプレー×1台
今回このクラスのボートでは初めての試みとしてボートショーで初登場したオートパイロットNAVIPAILOT-711を設置

その他の設備
・国際VHF無線機 IC-M504J
・アメリカ製ステレオヘッドユニットの交換(パイオニアDEH780)

ファイテイングポジションを広げるため、バウデッキフットテーブルの増設
テーブルはキングスターボードASを使用し、アルミボートベースでセンターを補強して作製しました。面積は小さいのですが安心感は抜群です。

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